群馬県私立通信制高校等連絡協議会
通信制高校は、戦後間もない1948年に教育基本法の「教育の機会均等」の意を受け、定時制高校とともに設置されました。
当時の生徒は勤労青少年がほとんどでしたが、時代の変遷に伴い学校数を大きく減らした時期もありました。
しかし、多様化の進む現代、通信制高校が再び脚光を浴びるようになっています。
それは、各々の学校が時代背景を的確に捉え、工夫を重ねることで、学ぶ側のニーズに合った個性的なカリキュラムを編成していることが社会に広く認知され、全日制高校などと並ぶ「進学先の一つ」として、選ばれるようになったからこそと理解しております。
現在では、勤労しながら学ぶお子さんの数は大変少なくなっており、大半は不登校やいじめ、不安、問題行動等により中学校での学びが思いどおりに叶わなかった生徒が中心で、その割合は全体の7割にも及びます。
また、ADHDやASDなど発達特性により、小規模できめ細かな支援を提供している通信制高校を選択するという生徒も少なくありません。
そのほか、プロスポーツ選手や音楽家、芸能人などを目指し、高校学齢から夢の実現に向けて打ち込んでいるという若者にとっても、通信制高校は適した環境と言えるでしょう。
さて、現在、高校学齢を迎える子供たちは、コロナウイルス感染症の拡大により、世界が震撼した時の小中学生です。
当時学校現場は、長期にわたり休校措置を講じなければならない状況であり、児童生徒は先の見えない不安と焦燥感で、心に大きなダメージを受けました。
そして社会における学校に対する意識も、「是が非でも通わなければ」から、「どうしても無理な時は、休ませる」というように変化していると感じます。
ですから学校は、これまで以上に、子供たち一人一人が各自適した学びのチャンスを得られるよう多面的な配慮を行う必要があるはずです。
通信制高校等連絡協議会では、お互いの学校のよさを共に理解し、連携協力することで、現代の子供たちの抱える心と体の課題を踏まえ、個別最適な学びの場を提供していきたいと考えます。そして、通信制高校が、子供たちに「通いたくなる場」であり続けることができるよう、力を尽くしてまいりたいと存じます。
令和7年4月1日

群馬県私立通信制高校等連絡協議会
会長 北爪 喜久雄